気温22℃でお肌が変わる
秋冬のお肌は、かさつきがちですよね?
やばい!保湿しなきゃ!と思いますが…ちょっと待ってください。
実は秋冬のお肌は、かさついている方が自然で健康なのです!
以下にご説明しますね。
★まずは、秋冬の肌と、春夏の暖かい時期の肌の違いを考えてみましょう。
初夏から夏の肌は比較的シットリしていますよね。
これは湿度のせいでしょうか?
いいえ、実は比較的乾燥した国でも夏のお肌は、しっとり気味になるのです。
日本のようにべとべとはしないのですが、水分量が増えます。
気温が高い持期には、 体は「冷却モード」になります。
体温調節機能が働き、体内が暑くなりすぎないように冷やそうとします。
からだは、主に汗をかくことによって、体内を快適な温度に保とうとします。
このときに汗で皮膚の水分量が増加するのです。
「夏以外は顔に汗なんかかいてない!」とおっしゃる方がほとんどと思いますが、実は私たちは、自覚がないうちに結構な量の汗をかいています。
★ 22度設定のお肌エアコン
気温が22℃以上であると、実は目に見えない発汗が起きていて、それがお肌の水分量の増加に大きく寄与している、という研究がなされています。*

22℃設定で「冷却モード」が作動する、天然エアコンが私たちの体には備え付けられているのですね!
しかも、単に冷却するだけではなく、潤いも与えてくれているのです。
「うるおい冷却モード」とでも呼びましょうか。最近のエアコンみたいですね~
🍂さて、次に秋冬の肌について。
秋冬のお肌はかさつきがちですね。
湿気が少ないから、ということもありますが、実はそれだけではないのです。
秋になり、 徐々に気温が降下し始めると、体の機能は、いままでの「冷却モード」から「保温モード」に切り替わります(体内エアコンは、22℃設定ですから!)。
ちなみに、このモード転換には約1週間かかるようです。
秋や春などの季節の変わり目で、暑かったり寒かったりが交互に来ると、このモード切り替え機能が狂って誤動作してしまいがち。
季節の変わり目に体調を崩しやすくなったり、肌荒れを起こすのはこのためです。
秋冬の「保温モード」では、肌の水分レベルを下げようという機能が働きます。
なぜって? ...この時期にお肌がしっとり潤っていたら、きっとものすごく寒いですよ!
(寒い日にお風呂上がり後、濡れた身体を拭かないでいると、どうなるか想像してみてください。
乾いたタオルで身体を乾かすと、いくぶんか、冷たさが和らぎますね)
そうならないように、秋冬の肌は奥の方に水分を引き上げます。
というわけで、つまらない結論で申し訳ないのですが…
秋冬なんですから、皮膚表面の多少のかさつき感は当たり前なのです!
むしろ、お肌が乾燥していてくれてありがたいことなのです。いやがる皮膚にムリに、水分補給をしようとするとおかしな事になってしまいます。
「秋冬の肌の表面はかさかさしているのが自然」
ということはおわかりいただけましたでしょうか?
***
とはいうものの、やっぱり、粉を吹いたような、カサついたお肌はいやですよね?!
さらに、深いしわが目立ったり、肌に弾力感がなくなるのもこの時期の特徴です。
でも、秋冬でもかさついたり、しわが増えたりしない人たちもいます。
その差は何でしょう?
そのうち、秋冬のお肌特有の事情を踏まえた上で、秋冬のカサカサ&しわしわ対策についてご説明しますね。
お楽しみに!
*参考文献
一般社団法人 日本アレルギー学会「アレルギー」54 巻 5 号
田上八朗 :アトピー性皮膚炎と皮膚のバリア機能